高齢者による犯罪

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近年、高齢化社会に伴い高齢者による犯罪が多くなってきています。
なぜ、高齢者犯罪が増えてしまっているのか、様々な統計などをもとに、高齢者による犯罪について、お話しさせていただきます。

1 最近の高齢者犯罪の状況

高齢者による犯罪は増加傾向にある

法務省が公表した平成27年版犯罪白書によると、平成7年における高齢者による刑法犯の検挙人数が11440人であり、その年全体の約4%しか占めていないのに対して、20年後の平成26年における高齢者による刑法犯の検挙人数が47252人とその年全体の19%も占めており、人数では約4倍、割合では約5倍の増加となっています。
※ 法務省HP・平成27年版犯罪白書(https://hakusyo1.moj.go.jp/jp/62/nfm/mokuji.html

高齢者犯罪の多くが窃盗

平成27年版犯罪白書によると、平成26年における高齢者犯罪の検挙人数中、約73%が窃盗罪でした。しかも、窃盗罪といっても、約59%は万引きです(残りの約14%は万引きではない窃盗罪です)。

実は粗暴犯も増えている

か弱いイメージのある高齢者ですが、実は暴行・傷害等の粗暴犯も増加傾向にあるのです。最近の事件でいえば、平成28年6月23日に、62歳男性が小学生2名を傘で殴り、怪我をさせたとして逮捕されるという事件がありました。どうやら、加害者男性が缶を捨てたことを小学生らが注意したところ、その加害者男性から暴行を受けたということのようです。
他にも、些細なことで暴行、傷害に至る事件があり、一部では「暴走老人が増えている」なんてことも言われてしまっています。

2 高齢者犯罪の原因

高齢者の増加

なんといっても、高齢化社会により、高齢者の人自体が増えたことが原因として挙げられます。内閣府が公表した平成28年版高齢社会白書によれば,平成27年10月1日時点での高齢者の人口は3392万人、総人口に占める高齢者の比率は26.7%と、いずれも過去最高の数字となっています。
※ 内閣府HP・平成28年版高齢社会白書(https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/html/gaiyou/index.html

経済事情

多くの高齢者は年金暮らしをしており、その中には生活が苦しい状況にある人もいます。加えて言えば、平成28年版高齢社会白書によると、高齢者で生活保護を受給している者は92万人で、増加傾向にあります。このように、高齢者の中には苦しい経済事情を抱えている者が少なくなく、生活をするために窃盗をしてしまうといったことが起きるのです(上記の通り、窃盗罪の中でも、日常生活で簡単に行える万引きが多くを占めているということからもうなずけます)。

高齢者の孤立化

昔とは違い、現代においては核家族化が進み、二世帯で生活するということはあまりありません。そのため、高齢者は孤立化し、精神的に自分を支えてくれる人などが存在しなくなるという状況に置かれます。このような孤立化によって、高齢者は悪い意味で社会に関わろうとして罪を犯したりします。また、刑務所に行けばいろんな人と会話できるので、わざと犯罪をする人もいます。


いかがだったでしょうか。高齢者による犯罪は、本人たちにも問題はあるとは思いますが、原因の多くは高齢化社会や高齢者の孤立化といった社会問題なのではないでしょうか。そうだとすれば、高齢者の犯罪を減少させるためには、国が少子高齢化対策や高齢者への経済支援などにさらに取り組むべきなのではないかと思います。