交通事故で刑事事件として立件されそうになった場合に取るべき行動

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交通事故を起こしてしまった場合、物損だけ(車体の被害だけ)で済むのであればともかく、他人にケガを負わせている人身事故にまで至っているのであれば、刑事事件として警察や検察に立件される事態もありえます。
こうなった場合、自動車運転死傷行為処罰法に規定される「過失運転致死傷罪」が適用され、れっきとした犯罪として扱われるのです。
わざとやったわけでなく、「うっかり」他人を傷つけても重く処罰されてしまいます。公道で車を走らせるというのは、それだけ社会的責任の重い行為だといえます。
つまり、警察に逮捕されて、家族や会社にも連絡が取れないまま取調べを受けることもありえます。この場合は、弁護士を呼んで、助けを求めましょう。
「当番弁護士を呼んでください」と警察官に頼めば、初回無料で弁護士が駆けつけてくれます。また、信頼できる弁護士を知っていれば、その人に依頼することもできます(ただし、すべての弁護士が刑事事件をしっかりこなせるわけではありませんので、得意分野を事前確認することが大切です)。

1 それ、不当逮捕ではありませんか?

もし、人を逮捕できる条件を満たさないにもかかわらず、警察が不当に逮捕している場合は、すぐに釈放するよう交渉してくれます。
残念ながら逮捕の手続き自体に問題がない場合でも、取調べのやり方や留置場での扱いが不当なこともあるので、法律の専門家にチェックしてもらえると安心できます。
交通事故の加害者は、その大半が日常においては善良な市民であり、今まで前科前歴などなく、取り調べなどされたことがない人がほとんどです。右も左もわからない取調室という非日常の空間では、捜査官の言い分に安易に合わせて、事実と異なる供述調書を取られてしまいがちなのです。供述調書とは、取調室であなたが質問に答えた内容を、警察官や検察事務官が文章にまとめた記録のことで、裁判の重要な証拠になります。
もし、あなたにとって不当に不利な供述証書ができあがってしまったなら、すぐに相談しましょう。
また、弁護士は心配している家族や会社にも連絡を取ってくれます(独り暮らしで自宅にペットを残している場合、代わりに世話してくれる弁護士も一部にいます)。

2 もし起訴されても、法廷では弁護士が共に闘います

日本では、たとえ被告人が罪を認めていないケースでも、起訴されれば、無罪が出る確率は約3%ほどにとどまります。
ただ、交通事故に関連する刑事事件は、無罪率が比較的高いとされます。その理由は

  • 交通事故は件数が多い(70万件以上)ので、警察により現場の実況見分が不十分になりがちである。
  • 交通人身事故は過失犯ということもあり、加害者にとっても被害者にとっても急な出来事である。多くの場合、当時の記憶があいまいで、正確でない。
  • 捜査官も被害者の言い分を一方的に聞いて調書をとるだけで、客観的事実と照らし合わせずに進めがち。

たとえ無罪を争うつもりがなくても、あなたが深く反省していることや、被害者との示談交渉が進んでいること、被害者にもそれなりの過失があったことなどを裁判官に訴えて、刑罰をできるだけ軽くしてもらう「情状弁護」でも、弁護士が活躍してくれます。
もし、あなたが罪を認めていて、100万円以下の罰金刑で済みそうな見込みなら、正式裁判でなく「略式手続」にして、早々に決着させることもできるでしょう。略式にするかどうかを決めるのは検察官の権限ですので、弁護士にお願いして、代わりに交渉してもらうこともできます。