法律家の枠を超越した経営センスで、企業の将来までサポート / 菰田 泰隆 弁護士


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クライアントに利益を出させ、報酬実質ゼロとしたケースも

菰田 泰隆 弁護士

– 一方で、離婚や相続など、個人向けの案件ではいかがですか。

相続に関しては、当事務所は税理士事務所も併設していますので、もしも相続税の申告が必要であれば、併せて対応することができます。また、遺産の不動産に関して登記が必要でしたら、別に司法書士さんに依頼しなくても、弁護士が登記申請を代行することもできます。

相続案件に関して、1つの法律事務所だけで全て完結できるのは、おそらく九州ではうちだけだと思います。

離婚については、財産分与で不動産を売却しなければならないような局面でしたら、うちの顧問先の不動産会社を紹介できますし、住宅ローンの借り換えをしなければならないのでしたら、私が金融機関を紹介して融資を付けましょうか、というご提案もできます。基本的に、うちとしかやりとりしなくていいような体制を整えています。

– そのような独自性ある取り組みも、すべて「クライアント・ファースト」という理念に集約されるわけですね。

そうです。

– 今までで過去に印象に残っている事件についてお尋ねしたいのですが、これほどコンサルティングの面が充実していると、そもそも、裁判に至ってもつれるような案件がそれほど多くないとお見受けするのですが、いかがですか。

そうですね。裁判になるとしたら、個人の離婚や相続の案件がほとんどです。

うちの事務所でよくやりますのは、相続財産の中に不動産、特に土地がある場合で、複数の相続人の間で、土地を売却した上で、その金銭を分けたいとの依頼があるとき、私は売却をストップすることがあります。

– どういうことですか。

複数の不動産会社から見積もりのような査定をそれぞれ出してもらいます。

確かに売却すれば、その査定金額ほぼその通りの金額が入ってきて、そこから弁護士は報酬をもらえて一件落着なので、一見するといいように見えます。しかし、売却はまとまったお金が一度きり入ってくるだけなので、慎重に考えなければなりません。立地がよければ、賃貸にしたほうが将来的に見て、相当利回りがいい場合もあるのです。

なので、こちらでディベロッパー(宅地開発業者)をお客さんに紹介したりとか、再開発の事業計画を作ってみたりとか、そうして、なるべく多くのお金が依頼者のご家族に残るよう働きかけていきます。

「どう分けるか」よりも、「どう大きくして分けるか」を考えます。

大きくした分で弁護士費用をまかなえるので、「弁護士をただで使えたようなものです」と、クライアントに感謝の言葉を頂いたこともあります。そのときは嬉しかったですね。

– たしかに、法律家というよりも経営者の視点ですね。大学では法学部に入っていらっしゃいますが、もともと経営に関心をお持ちだったのでしょうか。

ビジネス書とか自己啓発書のようなものは、昔から好きで読んでいますが、経営について、何か特別な勉強をしたことはないです。

– 多くの人が目を通しているようなノウハウ本でも、具体的な実践に移してビジネスに活かせる人は少数でしょうね。

でも、本から得る情報以上に、弁護士になって知り合った経営者の方々から、飲みながら直接聞く情報のほうが参考になっています。

小手先のネット集客などに頼ってはならない。まずは相手にとってどういう働きかけをすれば最も利益になるのかを考えることが大切だと、いろんな機会にいろんな社長さんから聞いているうちに、「それは本当のことなんだろうな」と思えて、実践に移せるのかもしれません。

経営者にアドバイスする立場ゆえ、経営者として優れていたい

– 経営者の皆さんから積極的に経営理念を吸収して、成長著しい法律事務所のようですが、今後、どのような方向に進んで行かれるつもりですか。

世の中のニーズに応えるだけなので、どうなりたいという希望は少ないのですが、あえて言えば、弁護士としてよりも、社労士としての側面を伸ばしていこうと思っています。

一般的な社労士は、給与計算などの労務や社会保険などの手続きに関して、会社の代行を行いますが、代行にとどまらず、会社に改善策のアドバイスを行って、経営改善を図り、それでいて他の社労士さんと同じ料金で請け負う存在でありたいと考えています。

– 福岡市や那珂川町など、地元の企業さんの発展に貢献したいという思いがあるわけですか。

いえ、そこまでは考えていません。僕は弁護士というよりも経営者でありたいんです。他の企業とは、弁護士として関わりたいのではなくて、同じ経営者として関わりたい、そして経営者として優れていたいんです。

自分が経営者として優れていないと、経営アドバイスなんて相手は聞く耳持ってくれませんからね。それにプラスして、弁護士資格も持っていて法的アドバイスもできるので、ようやく話を聞いてもらえるようになります。

– 個人のお客さんに対しては、いかがですか。

それも同様に、弁護士と依頼人というより、「人と人」という関係性でありたいと思います。法律にあまり詳しくない人と、法律に詳しい人とが、対等に対話するイメージです。

この離婚裁判に勝つと、弁護士報酬がいくらもらえるかに注目するのではなく、離婚した後の、その人の人生にとって、どう決着を付けるのが適切か、不用意に長引かせていないか、将来に向けてどのように再スタートを切ってもらうのがいいか、人として一緒に考えていきたいです。

また、おかげさまで毎年のペースで弁護士を雇用していて、現在、法人全体で弁護士は7名います。

同じように「弁護士として何をするか」という希望よりも、あくまでも「人と人」で向き合って、自分の持っているもので相手のためにどんな貢献をできるか、その関係性を大切にしています。

– 熊本にも支店があるようですが、これからも増やしていかれる予定ですか。

いえ、雇用している弁護士のひとりが、今後熊本で独立開業したいと希望しているので、将来、彼にその事務所を譲るために熊本にも支店を置いたという、それだけです。支店を増やして拡大することは、この弁護士法人の目的としていません。

今後、東京や大阪などの需要が大きい地域に支店を出すことはあるかもしれませんが、それも必要に迫られたタイミングで、と考えています。まずは支店に常駐してくれる弁護士を確保しないと始まりませんので。

那珂川町の事務所は原点ですし、今でも町内唯一の法律事務所ですので、仮に採算が合わなくなっても残していくつもりです。


失礼な話かもしれないが、九州にこのような弁護士がいらっしゃること自体が予想外であった。
昨今では、弁護士から経営者に転身するケースが、ニュースなどでしばしば報じられているが、菰田先生のように、弁護士のままで経営スキルを活かしていけば、法曹界で未だ誰も足を踏み入れていない新たなフロンティアへも向かっていけるのかもしれない。

弁護士法人菰田総合法律事務所

菰田 泰隆 弁護士
弁護士法人菰田総合法律事務所

2002年 修猷館高等学校 卒業
2007年 九州大学法学部 卒業
2010年 早稲田大学大学院法務研究科 修了
2012年 菰田法律事務所開設(現:弁護士法人菰田総合法律事務所)

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