「常識」「普通」を大切にする、住宅街の頼れる法律家 / 沙藤 達哉 弁護士


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福岡の繁華街である天神から、西鉄線でわずか2駅、平尾駅の周辺は、庶民派から高級志向まで、多様な価値観であふれる人気の住宅地である。

今回は、この平尾駅前で唯一、弁護士として活動する沙藤達哉先生(平尾駅前法律事務所代表)にお話を伺った。

会社生活に満足できず、弁護士になった沙藤先生だが、もしかすると、会社員以上に地に足の着いた考え方をしているのではないかと感じさせるインタビュー取材となった。

営業職の会社員から弁護士へ転身

– この平尾駅前に事務所を構えられた理由は、何だったのでしょうか。

まずは、裁判所の周辺に法律事務所が固まっているという実情を何とかしたかった、というのがあります。むしろ、今まで弁護士がいないようなところで開業すれば、お客さんにとっても便利で喜ばれるのではないかと考えました。

そして、西鉄(天神大牟田線)沿線で考えまして、天神・薬院や、高宮・大橋の周辺には法律事務所があるのですが、ちょうど平尾だけポッカリ空いてたんですね。全体的に見て、1駅に1つずつ法律事務所があったほうがいいのではないかと思ったのです。

また、もともと私はこのあたりに土地勘がありまして、近くにも住んでいましたので、西鉄の沿線を候補にするのは自然な流れでした。

平尾駅を降りて、この法律事務所を目にしてくれた方々が、「そういえば、家族があの件で揉めてたな。あそこに法律事務所があったな」と思い出して、気軽に相談に来ていただけると理想的ですね。

天神・赤坂の大層な事務所へ相談に行くほどの大げさなことではないけども…… ということでも、うちであれば相談に乗りますので(笑) そういう地域密着型の法律事務所でありたいとは思います。

– こちらの法律事務所の注力分野としましては、どういったものになるのでしょうか。

個人の方や経営者の方から幅広くご相談を頂いていますが,中でも多いのは、離婚や相続などですね。こうした家事事件は、法律相談の中に家族への愚痴が混じることも多いわけですが(笑) せっかく来てくださったわけですし、愚痴の中にも重要な話がある場合もあるので、しっかり聞いて、回答を申し上げています。

– 家族の中では言いづらい話を、誰かに聞いてほしがっているのかもしれませんね。法律相談は、その受け皿にもなりうるのでしょうか。

そういうことですね。 話して満足して、スッキリしていただければ、われわれも嬉しいですが、かといって永遠に話してもらうわけにはいきません(笑) 必要に応じて、適宜、話を誘導したり打ち切らせてもらう場合もありますが、「それは法律問題じゃありませんね」と、冷たく切り捨てる態度が、一番よくないと思います。法律家に対する信頼が損なわれます。

もしかすると弁護士としては、近ごろでは特定分野での専門家、スペシャリストが好まれ、求められているのかもしれませんが、私としては総合的に対応できるゼネラリストでありたいと考えています。

できるだけ、仕事を選びたくないのです。目の前の困っている相談者に対して、様々な角度から解決策を提示し、具体的に動ける弁護士であろうと思っています。

– 弁護士になられる前、会社員として勤めていらっしゃったのですね。

はい、私はもう、大学を卒業して入った会社で一生勤め上げるんだろうなと思っていました。平成4年(1992年)ごろで、まだ終身雇用が当たり前だった時代です。入社式での社長の話でも「あなたたちはこれから、当社で30年以上勤め上げるわけですが」という話もあって、それを受け入れつつも、30年という膨大な時間、この会社で働くというのが自分にできるのかどうか、漠然とした不安があったのも確かです。

会社員である以上は、会社の方針に沿って、みんなで同じ方向を向いて仕事をしなければなりません。それこそが組織の良さであり強みではあると思うのですが、働き始めてみて、その雰囲気にどうしても馴染めなかったということです。

– 何か不満があったのでしょうか。

いえ、辞めるにあたって、会社に酷い目に遭わされたとか、何か決定的な出来事があったわけではありません。

上司も人がよく、いろいろと話を聞いてくれていましたし、司法試験を受けてみたいと相談しましたら、その上司も大学で法学部にいて、学生の頃に司法試験受験のことがチラッと頭をよぎったことがあるらしく、「じゃあ、頑張ってみなさい」と背中を押してくれたほどだったんです。その方とは、今でもお付き合いがあります。


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