事務所内の「従業員満足」を徹底することが、依頼者の満足につながる。 / 平岡 将人 弁護士


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東京・西銀座の伝統ある泰明小学校の隣にそびえ立つビル、そこに入居しているのが、交通事故の法律問題に注力する弁護士法人サリュ(銀座事務所)である。
今回は、代表弁護士の平岡将人先生にお話を伺った。埼玉の大宮事務所に籍を置きつつ、事あるごとに銀座や横浜など、同法人の各事務所をまわっている平岡代表。「事務所のビジョンは内向き」と語る、その独特の運営方針とは?

司法試験期間中に、初対面の外国人たちとサッカー?

– 小さい頃は、どんなお子さんでしたか。

わりと明るくて、友達も多く、社交的な子どもだったと思います。
ただ、中学校に上がってから、内向的になりまして(笑)

– えっ、何があったんでしょうか。

何があったというわけでもないのですが、ちょっとイタイ感じでした(笑)

– そうなんですね(笑) その頃は多かれ少なかれ、誰もが通る道かもしれません。

当時、サッカーをやっていたのですが、同学年のチームの中では、エース級の活躍をしていまして、それで先輩のチームに入れられるんですよ。そうすると、全く活躍できなくなってしまいまして。アウェイの状況に弱かったんでしょうね。

– 弁護士になろうと思われたのは、どの時期ですか。

高校2年のときです。中央大学の附属高校に通っていまして、将来は法学部に行こうとは思っていましたが、親が公務員でしたので、公務員という進路もあるのかなと考えていました。

ただ、この頃に松本サリン事件が起きまして、河野義行さんが毒ガスをばらまいたとされて、世間から叩かれていました。しかし、じつは冤罪で、オウム真理教の仕業だったと。

そのときに、「テレビや新聞は嘘をつくんだな」「マスコミに嘘をつかれた人は悲惨だな」と、初めて気づかされたんですね。そして、警察に逮捕された河野さんの弁護人が記者会見に同席して話しているのを観まして、「世の中からそっぽを向かれた人を助ける仕事は、かっこいいな」と思ったんです。

– 民事よりも、刑事弁護人のイメージだったんですね。

その頃は、民事も刑事もよくわかってなかったんですが、ヒーローに憧れていたイメージと弁護士が重なったんですね。

– ヒーロー願望があったのは、イタかった中学校の頃でしょうか(笑)

そうかもしれないですね(笑)

– 大学に上がり、司法試験を目指されて、法律の勉強はしっくりきた感じだったのでしょうか。

大学の講義はそうでもなかったですが、論理的に場合を分けて整理して考える、法律的な思考方法そのものが面白かったですね。

– それでも、司法試験受験生のころは辛かったんじゃないですか。

それはそうですけれども、忘れられない思い出がありまして、2002年の択一試験が終わって、合格発表を待つまでの間、サッカーの日韓ワールドカップを観に来ていた外国人が、新宿中央公園でミニサッカーをやっていたのに混じってみたり、6月に入って論文試験の勉強をしなきゃいけないのですが、ワールドカップをテレビで全試合観たりしましたね。

– 全試合! その余裕が逆によかったんでしょうか。

いや、全然ダメでしたね(笑)

– でも、貴重な国際交流ですよね。なかなか日本にワールドカップは来ないし、一生に一度の思い出ですよね(笑) 司法試験に合格されて、こういう弁護士になろう、という具体的なイメージはあったのですか。

いえ、司法修習中でも、弁護士がどんな仕事なのかよくわかっていなかったのが正直なところでして、ただ、就職活動をしているとき、友人が「平岡さんにぴったりの事務所、見つけたよ」と聞いて、半信半疑で説明会を聴きに来たのが、この弁護士法人サリュだったんです。

– そうなんですか! お友達は何をもって、ぴったりと思われたんでしょうね。

それは今でもわからないですが、創業者の谷清司の話を聞いていると、他の弁護士の話と正反対なんですよ。普通の弁護士は、過去の実績とか法律事務所の基本情報などを説明するのですが、谷先生は「これから、こうしていきたい」「こうすれば面白いんじゃないか」という未来の話しかしないんです。

– むしろ、ビジョンしかなかったんでしょうか。

山口県の萩市から東京に進出し、この弁護士法人ができて1年目の頃だったので、未来の話をするしかなかったのだと思いますが(笑) この頃の就活は新人弁護士の売り手市場だったので、過去の実績とかネームバリューなどを重視する修習生なら、当時のうちの事務所は選んでいなかったはずです。 ただ、私は「このサリュという事務所を名門にしよう」と思ったんです。そのほうが面白いんじゃないかと考えました。

– 何か、心に響くものがあったんでしょうか。

あの頃の谷先生は、勢いがあって、勢いしかなくて(笑) 目の前にある障壁を全部壊してやるぐらいのパワーを感じました。東京では知名度が皆無な、サリュという生まれたての組織で、谷は何を成し遂げようとしているのか、当時はまだ見えていませんでしたが、一緒になって形を作っていければ、きっと面白いはずだと思いました。

うちは公務員家庭でしたので、司法試験に合格した以上は、検察官か裁判官になるべきだという意見が大勢を占めていたのですが、強烈なキャラクターの谷の話を聞いて、「やっぱりチャレンジしてみたいな」と思ったんです。