ネット上の誹謗中傷や著作権侵害の解決 その最前線をひた走る。 / 清水 陽平 弁護士


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都心の中でも中枢的な位置にある首相官邸や国会議事堂、その近隣のビルに法律事務所アルシエンはある。

今回は共同代表弁護士の清水陽平先生にお話を伺った。法律事務所勤務後に、コンサルティング会社に転職したという異色の経歴が、インターネットの法律問題という現在の注力分野と出会うきっかけになったという。

「2ちゃんねる」書き込みの削除を成功に導く

– 弁護士としての注力分野は、どういったものになるでしょうか。

力を入れているのは、インターネット上での誹謗中傷への対策などです。被害を受けた方から依頼を受け、誹謗中傷の削除をしたり、誰が発言をしたのかを特定して加害者への法的責任を追及する業務が多いです。

また、相談件数自体はそれほど多くないですが、ネット炎上への対応などもあります。

– 炎上対応ですか。批判コメントなどがたくさん寄せられたり、SNSで広がって、批判の声が増幅し、対応に追われるのが、一般的に「炎上」とされますが、どういった方からの依頼になりますか。

企業からの相談が多いですね。社会的なイメージの悪化が、経営問題に発展しかねません。

– このように、ネット上の法律問題をおもなフィールドとして活動していかれる、きっかけは何だったのでしょうか。

弁護士登録の後、法律事務所に勤務していたのですが、その後しばらくしてコンサルタント会社に就職したんです。

– どういったコンサルティングを行う会社なのでしょうか。

平たく言えばメディア対応です。たとえば、企業が不祥事を起こしたときやM&Aを行うときなどに、記者が取材に来ます。その際に、社会情勢や報道状況などを踏まえて、どういった方向性での回答を行うことが批判を受けにくいのかを検討して、プレスリリースや想定Q&Aなどの作成をしたり、記者会見のペーパー準備をはじめ、セッティング等行うような仕事です。

– なるほど、ネットの炎上対策などと通じるところがあるかもしれませんね。

そうなんです。その頃というのは、2008年~2009年くらいで、まだ炎上などと言われることはなかったように思うのですが、そういう類いのコンサルティングをしていると、ネット上にいわれのない噂が書き込まれたりした企業から、「これ、どうにかならないの?」と相談が入るのです。

– まだスマートフォンなども、ようやく出まわり始めた時期ですよね。ネットの誹謗中傷を扱っている弁護士は当時いたのでしょうか。

ネット上の問題について対応していた弁護士はいるにはいたのですが、ごく限られた方々だけでした。その当時、ネット上の問題は大きなこととは思われておらず、書籍などもありません。そのため、ほとんど手探り状態でした。

– どのような点が難しかったのでしょうか。

そもそも参考にする書籍もほとんどなく、どういう根拠で削除ができるのかというところから不明確でした。また、最初に対応したのが「2ちゃんねる」だったのですが、当時、2ちゃんねるはシンガポール法人が運営主体となっており、海外法人への手続きをどうすればよいのか、といったところでも悩みがありました。

最終的に仮処分という裁判を起こし、被害者の人格権を根拠にして書き込みの削除を求めたところ、それが認められて削除もされました。これは、2ちゃんねるがシンガポール法人になって以降、削除が認められた初めてのものになります。