立ち退きを請求する相手にも敬意を。不動産法務のスペシャリスト / 出口 裕規 弁護士


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あと60年以上、仕事を続けていたい

出口 裕規 弁護士

– プロフィールによりますと、弁護士会の公益通報者保護法に関する委員会でも活躍していらっしゃるんですか。いわゆる内部告発ですね。

労務管理の延長線上に捉える社長さんもいらっしゃいますが、そもそも、内部告発者を保護する公益通報者保護法の存在自体が国民に知れ渡っていない。例えば、大卒の新入社員にアンケートをとったら、ほとんどの方は知らないんじゃないでしょうか。

– はい、内部告発のおかげで、世の中の隠れた不正が暴かれるという価値もあります。いわゆるブラック企業に勤めて、我慢したまま泣き寝入りで働いている人も少なくありません。

世の中がよりよく変わるためには、まずは、「知る」ことが第一歩です。現行法はといえば、内部告発者に対する報復や不利益処分をした組織に対するペナルティが定められているわけではありませんし、不利益処分があったものと推定する規定もないので、それを内部告発者のほうが立証しなければならないんです。これはかなりの負担ですよ。
また、公益通報者は、その会社などに勤めている人に範囲が限定されていて、退職者や取引先関係者などは保護する対象に含まれていません。

ですから、内部告発者を保護する法律だというには、まだ不十分だといえます。

– これから、どのような弁護士活動を行っていくか、将来の展望のようなものはありますか。

相談や依頼をしてくださった方の期待に応えるだけですね。目の前の仕事をしっかりと果たしていこうと考えています。将来の目標を考えているとしたら、「あと60年以上、弁護士活動をしていたい」ということですね。

– 60年ですか!

60年以上です(笑)
健康には気をつけています。健康オタクなんです(笑)

– 定年もありませんしね。健康に気をつけて、末永く仕事に取り組んでいかれるということですね。

何か、将来のビジョンがあったほうがいいでしょうか?(笑)

– いえ、必ずしもそうではありません(笑)

建築家は建物を建てて、お医者さんは病気やケガを治すわけですが、弁護士の仕事はそれに比べると目に見えにくいなと思っています。警察官や裁判官も同様でしょうが、社会のルール、秩序を守るプレイヤーのひとりとして、価値を産み出していきたいと考えています。

– 必ずしも依頼人の利益を守るだけではなく、もっと大きな価値も守ろうとしていらっしゃるのですね。

この仕事をしていると、依頼者から無茶なお願いをされることもあるわけですよ。それを安請け合いして、依頼者の主張をそのまま剥き出しで相手にぶつけたら、おかしなことになってしまいます。

– 公共の利益にも配慮していかなければならないお仕事でしょうからね。大変な仕事ではありませんか。

おっしゃるとおりです。たまには簡単な事件というのがあるものかといえば、ほとんどそんなことはないですから。がむしゃらですよね(笑)


恰幅がよく、おおらかな印象のある出口弁護士は、経験で磨いた法律家としてのスキルと空手で鍛えた精神力で、困難な案件にも果敢に立ち向かい、辛い立場に置かれた紛争の相手方にも優しく接する心意気を併せ持つ印象を受けた。

また、弁護士ジャパンの当インタビューコーナーについても、多様な弁護士の人柄や仕事ぶりを深く掘り下げていて、ネット上では他になかなか見かけない企画だと、思いがけぬ好評を頂き、ありがたい限りである。

ユウキ法律事務所

出口 裕規 弁護士
ユウキ法律事務所

1996年 千葉県立柏高等学校 卒業
2000年 千葉大学法経学部法学科 卒業
2007年〜2008年 弁護士登録(東京弁護士会)金子正志法律事務所勤務
2008年〜2011年 東京千代田法律事務所勤務
2012年〜 ユウキ法律事務所開設

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