巨大な相手にも法律で立ち向かっていきたい。 / 企業危機管理のプロ・浅見 隆行 弁護士


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最近では「広報会議」2016年12月号にて、鹿児島県志布志市のPR動画がネット上で「炎上」した件について法律的に解説するなど、組織の不祥事や各種事故、クレームに対応する危機管理に精通する浅見隆行先生アサミ経営法律事務所代表)にお話を伺った。
先生の持ち前の明るさが弾けて、笑い声の絶えないインタビューとなった。

弁護士会からの懲戒処分について

– 浅見先生の名前でネット検索すると、かなり上位のほうに戒告処分のことが出てきます。この場を借りて、お話ししますか……?

いいですよ。別にやましいことをやったわけではないので。
個人で訴訟をやりたいという方がいらして、ぼくが法律相談を受けながら必要な書面を作成していたんです。それで、陳述書を作るときに、訴訟の相手方の家族関係にふれる必要が出てきまして、じゃあ、戸籍を確認する必要があると思い、弁護士として戸籍を取ったわけです。

しかし、弁護士会からは「そこまでする必要はなかったんじゃないか」と、他人の戸籍の目的外利用ではないかと注意されまして、そこから2年ぐらい闘ったんですが、結果として戒告となりました。当時は、弁護士が特定の人の戸籍情報をマスコミに横流ししたりとか、そういう事例が横行していたので、弁護士会も特に敏感になっていたのかもしれません。

– 訴訟の手伝いをするぐらいなら、正式に代理人に就きなさい、弁護士なんだからと。

そうですね。それも見解の相違のベースにあったと思います。

ただ、危機管理を専門に取り組んでいる自分がこんなことになってしまったところにも大きな反省点がありまして、自分と付き合いのあるすべてのお客さんにお詫びの手紙を出しました。やはり説明責任がありますからね。お客さんたちは、有り難いことに離れていかなかったです。

スポーツも危機管理そのもの

浅見 隆行 弁護士

– 高校野球がお好きなんですね。

ええ、子どもの頃から興味を持って観ていました。高校野球はプロ野球と違って、メンバーが入れ替わるじゃないですか。

– たしかに、強制的に入れ替わりますね。

3年間でメンバーが全員替わって、18歳までに結果を出すため、努力を積み重ねていくプロセスに興味があったわけです。それと、トーナメント戦ですよね。リーグ戦と違って、負けたら終わり。そのひたむきさがいいんですよね。

– 子どもの頃から、そんなことを考えながら観ていたのですか。甲子園を。

わりとそうですね。この中から、どの選手がプロに育っていくんだろうかと、ひよこを飼うような目線で観てましたね(笑)
子どもの頃から、スカウト目線でした。「ほらほら、プロになった」とか「どうして誰も取らないんだ」とか、自分が選手を見る目は確かなんだ、という事実の確認作業が好きだったんでしょうね。

高校野球は、3月に始まって、10月には終わっちゃうんですよ。それで、11月から2月までは何をしようかという大問題が発生するわけです。

– 高校野球のストーブリーグ問題があるのですね。

最初はプロ野球のキャンプなどを見て回ったりしていて、「プロもこんなに基礎的なところから練習するんだ」と勉強にはなりましたが、毎年観に行こうとは思えないなと(笑)

その問題を解消してくれるのは、冬に盛んな駅伝ですね。高校野球ファンと駅伝ファンは、結構共通するんですよ。
駅伝も昔から好きでしたが、今は全国各地で観戦したり、写真を撮ったりしています。「配置の妙」といいますか。どの区間を誰に任せるかで、結果が大きく変わる競技ですからね。

スポーツ観戦は、一見すると仕事とは関係なさそうなんですが、「試合で負けないために、どんな対策を取るか、どんな練習をするか」という考え方は、やはり危機管理そのものだと思いますね。

– コーチになろうとは思わないですか。

コーチはやらないですが、視点はほとんど同じでしょうね。スカウトや監督と仲良くなったりしますしね。一緒に試合を見ながら「もし、これをこうやってたら、1点取れるんじゃないですかね」とか話したり。

– そこでも理詰めで攻めると(笑)

理詰めだと、ただの嫌なやつですが(笑) こういうプレイの選択肢をとる可能性もあるんじゃないですか、という話をしますね。「いや、ないですね」と言われたりしても、それで自分の観戦姿勢の修正ができたりしますので。