「事故」と名が付く法律問題は、ほとんど経験しています。 / 佐々木 龍太 弁護士


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解決してうれしかった事例

戸田 哲 弁護士

– これまでで印象に残っている事件はありますか。

何しろこれまで携わった事例が多すぎるので、何をお話ししてよいか迷うのですけれども、その中でも、なぜか印象に残っている事件があります。事故のケースではなくて、借金のケースなのですが、ご相談の時に、じっくりとお話を聞いてみると、その方ご自身の気持ちとしては、何とか分割ででも返していきたい、とのことです。決していわゆる多重債務というわけでもなく、分割であれば決して返せない金額ではありません。従って、ご本人のお気持ちを尊重して、その方向で解決ができないかという方針でやっていくことで、受任しました。

– どういう点が印象に残っているんですか。

後になって、その依頼者の方から言われたことですが、「実は、前に他の先生にも相談したのだけれども、どの先生も、返す必要はないとの答えばかりだったのですが、でも、こちらでは『お金を借りたことに間違いがないのなら、また、返せるんなら、そりゃちゃんと返した方がいいですね』と答えてくださった。だからお願いすることに決めたんです」というようにおっしゃったのです。私は、そんな一番最初の応答などは全然覚えていなかったので、これには少々びっくりしました。

確かに、返さなくてすむ方法や理屈は、話を聞いている最中でも、私も当然いくつも念頭に浮かびました。ですから、他の先生のアドバイスは、もちろん理解できるところはあります。
ただ、「借りた金は返す」という原則は、いわば当たり前のことですし、まして依頼者の方が何とか返していきたいと言っているのであれば、まずその方向性で考えるというのはごく常識的なことだと思っていましたので、逆に、その時は、大変意外に感じられました。

もちろん、返さなくてすめば、多くの場合は、特に経済的な面だけみれば、それの方が依頼者にとって有利ですし、その方向で頑張るというのは、一面では間違いはないのかもしれませんが、ただ、純粋に経済的得失では判断できない人間関係などの事情もからんだりもしますので、一概にはいえません。

何より、ご本人の意向とは必ずしも一致しない方向で、弁護士が「頑張りすぎる」というのは、逆に、一緒に戦う依頼者の方を疲れさせてしまう場合もあるのではなかろうか、とも、思われるのです。

無論、ご本人が、たとえどんなに長期でも返していきたいと言っても、どうみてもそれは無理だとか、理不尽だとか正義に反するという場合には、さすがに私も、説得し、ときには諫めて、よく考えていただくこともします。ただ、最終的には、やはり依頼者の気持ちというか意思・意向を尊重しないといけないと思うのです。そうしないと、ご本人にとってのベストな解決とはいえなくなってしまうと思うのです。

でも、この時は、自分では当たり前のことを言っただけで、しかも記憶にないくらいだったのに、だから私に依頼して下さったのだ、ということを聞いて、逆に今でも何だか大変不思議な印象の思い出として残っています。

– 借金を返さなくて済めば、それに超したことはないと考える人もいるでしょうが、それでは気持ちが収まらない人もいるわけですね。私たちが弁護士に法律相談を持ちかけるとき、大切なことは何だと思われますか。

弁護士へ依頼するときには、考え方が合わないと、うまく最終的な解決まで良好な関係を保てないかもしれません。そういう意味で、考え方といいますか、相性が合うかどうか、弁護士をよく観察していただくのがいい、ということになるのではないかと思います。逆に、私の方でも、この方はどのような性格や考え方の持ち主なんだろうと思いながら、お話をお聞きするようにしています。お互い様で、人間観察が、大事なのかもしれないなと、思っています。

電車移動をこよなく愛する

– 電車に乗るのがお好きなのですね。

時刻表を眺めたりして旅行を想像したりもしますし、昔から出張が好きでして、まったく嫌がらなかったです。

変な話、交通事故の現場にも、本当はできるだけちゃんと行きたいんですよね、電車に乗って(笑) そういう意味では現場主義です。現場にホイホイ行きます。
また、医療に関する問題が生じれば、詳しい医師の先生に会って話を聞きに行きます。

– 現場へ足を運ぶのを億劫がらない弁護士さんは、頼りになりますね。都内だとつまらないな、ということはないですか?(笑)

都内でも、もちろん行きますよ。特に神奈川・千葉・埼玉は、この20年間でいろんな現場へ行きましたし、いろんなローカル電車に乗りました(笑) 単線もあれば、ワンマン電車もありますし。

法律相談も、わざわざ事務所に来ていただかなくても、こちらからご指定の場所へお伺いすることもあります。

– そこまでフットワークの軽い弁護士さんは、意外といらっしゃらないかもしれませんね。

身体の不自由な依頼者もいらっしゃいますし、小さいお子さんを何人もお持ちのご家族だと、移動も大変でしょうから、こちらから出向くこともあります。電車に乗るのであれば、まったく苦にはなりません。

– できれば、おもしろい電車のほうがいいですよね?(笑)

おもしろくなくてもいいです(笑)

– 飛行機移動はあんまり好まれないですか。

飛行機はおもしろくないですね(笑) シートベルトを締めておかなくちゃいけなくて窮屈ですし、景色もつまらないので、できれば新幹線…… いや新幹線も景色を楽しめないので、できればローカル線のほうがいいのですが(笑)

当然、どうしても急がなきゃいけないときは、のんきなことを言っていられません。

– もう、47都道府県、すべて行かれたんじゃないですか?

恥ずかしながら、北海道にはまだ行ったことがないんですよ。

– 新幹線が函館まで繋がりましたし、北海道と関わりがあるお仕事が、どこかにあるはずですよ(笑)

北海道の路線は、いつ赤字で廃止されるかわかりませんので、できれば早く乗っておきたいですね。