依頼者に安心していただくため、「相続」に特化しました。 / 塩澤 彰也 弁護士

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少子高齢化の波が止まらない。人の逝去をきっかけに始まる相続も増えている。よって、相続をめぐるトラブルも増加の一途を辿る。
東京・杉並区の中心地のひとつ、荻窪、その商店街の一角にて、幅広い知識や十分な経験を求められる相続案件を、ほぼ専門に引き受けて取り組む弁護士がいる。今回は、その塩澤彰也先生(塩澤法律事務所)にお話を伺った。

弁護士ひとりの事務所で、多様な相続案件に取り組める秘密

– 塩澤先生は「相続専門」を掲げていらっしゃいますが、全体に占める相続相談の割合は、どれぐらいになるでしょうか。

割合にすると、8割ぐらいですね。

– 独立されて、最初から相続専門を謳われたのですか。

いえ、相続に特化したのは、平成25年頃からです。

– 特化しようと思われたのは、何かきっかけがあったのですか。

この荻窪で平成18年に開業した頃から、相続に関するご相談がもともと多かったわけです。そうなると、普段から頻繁に相談に乗っているものと、たまにしか相談が来ないものとで、おのずと助言のレベルに違いが出てくるんですね。

日々、新しい判例が出ていますけれども、すべての判例を把握しようとするのは限界があります。
より適切で自信のある助言、よりスピーディーな解決を目指そうとするなら、むやみに手を広げずに、絞り込んで特化したほうがいい、という判断をしました。

また、相続案件には様々な要素が絡んできます。親が会社を経営していて、相続によって自社の株式を引き継ぐとき、事業承継するのかとか、不動産の分筆や相続税も関わってきたり、幅広いのです。

さらにいえば、相続案件は、判例が固まっていなくてグレーな部分が残っています。どの弁護士がやっても同じというふうにはならず、深みがあるジャンルだと思います。それで、やり甲斐も感じられていますね。

– 荻窪に開業なさったというのは、杉並区のご出身だからということですか。

個人の案件を取り扱いたかったので、都心エリアのように企業が多い地域に事務所をつくることは考えていませんでした。地元密着型の事務所を作りたくて、荻窪に開業したのです。丸ノ内線の始発駅で、裁判所へも交通の便がいいという理由もあります。

– 始発だと、電車の中で座りやすいですよね。個人の事件に積極的に取り組んでいきたいというのは、何か理由があったのでしょうか。

もともと、弁護士になろうと思ったきっかけも、困っている人に喜んでもらえればと思ったところからです。

企業法務であれば、法務部の担当者が出てきたりして、話が早いわけですが、個人の依頼者の方だと、そうもいきません。

その人にとって、一生に一度の出来事かもしれないからこそ、その相談にいい助言ができたり、いい解決ができたりすると、やり甲斐を感じたのです。企業法務も経験がありますが、やり甲斐をより感じました。

– 個人の方に対して、相談しやすい環境をつくるために、何か心がけていらっしゃることはありますか。

これは平成18年の開業のときから実施しているのですが、初回相談はどんなものでも無料にしています。当時はほとんどなかったのですが、最近は他の事務所さんでも、ぼちぼち増えてきています。それと、難しい法律用語なども、できるだけわかりやすく説明するよう、心がけています。

– 相続に関することなら、相談の場で即座に回答を示せる場合も多いわけですね。

そうですね。「調べてから、後日回答します」ではなく、基本的にはすぐにお答えできる態勢です。相続に特化していない場合には、選択肢を1つかせいぜい2つぐらいしか出せないところ、うちの事務所なら4つか5つ出せることもあります。

現在、他の士業の方々と一緒に「杉並ワンストップ法務サポーターズ」というネットワークを組んでいまして、様々な社会的トラブルに対して総合的な支援を行う態勢を取っています。

たとえば、土地の境界線を確定したり、いくつかに分筆したりする必要がある場合には土地家屋調査士さん、相続税申告の相談も含む場合は税理士さんとも連携することができます。相続案件では、他に登記の関係で司法書士さんと連携することが多いですね。

– このようなチームを組んだのには、何かきっかけがあったのですか。

私が独立して法律事務所をつくるときに、司法書士さんと社会保険労務士さんから、このように地元の士業同士で連携したいという計画の話を聞きまして、誘われて参加することになったんです。もう10 年以上の歴史があります。

弁護士だけのワールドカップ

塩澤 彰也 弁護士

– 塩澤先生は、この杉並区のご出身だそうですが、どんなお子さんでしたか。

わりと活発なほうだったと思います。小学2年で野球、3年からサッカーを始めまして、徐々にサッカーに絞っていきました。

そして、高校2年のころに、サッカー部の同期のひとりが「司法試験を受けて、弁護士を目指す」と、当時から言っていて、それが弁護士という職業を意識するきっかけになったと思います。

大学に入って、3月には司法試験予備校に通い始めました。

– ずいぶん早いですね。まだ入学式の前段階ですよね。

はい、だいぶ早めに始めました。ただ、受験勉強をしている最中は、「弁護士って、需要あるんだろうか?」「本当に役に立つのか」と、少し疑問に思っていた時期もあったんです。
親戚などに弁護士がいなかったこともありましたし。

だけど、いざ司法試験に合格して弁護士になったら、親戚や知人から次々に「こういうときは、どうすればいいんだ」と相談を受けまして、「ああ、ほんと頑張ってなって良かったなぁ」と思いましたね(笑)

– 修習は高松だったんですね。いいですね、うどん。

週5回ぐらいのペースで食べてました(笑) このころに高松で一緒だった修習生のお父さんに紹介していただいて、以前に勤めていた四谷の事務所に入ることになったという縁もあります。
それと、高松市役所のサッカーチームにも入っていましたね。

– サッカーは、今でも相当お好きなんですね。

そうですね。全国法曹サッカー大会には毎年参加しています。また、2年に1回、「弁護士ワールドカップ」というのが開催されていまして、それにも参加していますね。

– ワールドカップ? 塩澤先生は日本代表なんですか?

いえいえ、希望者は基本的に参加できまして、前回のスペイン大会は、日本だけで4チームぐらい出ていますね。アジア、ヨーロッパ、南米など、世界各地から100 チーム以上の弁護士チームが集まって、近ごろでは「35 歳以上」「45 歳以上」というカテゴリー分けもできています。

私が参加し始めた頃だと、日本チームは選抜チーム1つしかなかったんですけど。

– おお!

といっても、27 人の中から25 人が選抜されたりとか(笑) そういう感じでした。

– サッカーを通じて、関係を広げていらっしゃるわけですね。

相続特化弁護士の、心に残る相続トラブル

塩澤 彰也 弁護士

– 今まで関わった中で、印象的な相続案件などはありますか。

うちの事務所が相続に特化しているからかもしれませんが、他の弁護士さんに依頼したけれども、その方の説明が不十分だったせいで、相続が絡む裁判で負けてしまって、さらに時効にもかかってしまい、もはや裁判の相手方にも請求できないので、その弁護士さんを訴えたいというご相談を受けたことはあります。

– いわゆる弁護過誤ですか。

そうですね。弁護士が弁護士を訴えるということで、難しさはありました。ただ、相手方の弁護士にも確かに落ち度があり、依頼者への説明が不十分だった点もありましたので、話し合いで解決できなかったため、裁判で解決せざるを得ませんでした。けっこう珍しいケースかもしれません。

– 弁護過誤の裁判が実際に行われている話は、世間ではあまり聞かないですね。ほかには印象的な事件のご記憶はありますか。

相続は既に始まっているんですが、遺産分割協議が進まないので、相続人としてもらえる遺産をなかなか受け取れないという方が、お子さんのためにまとまった学費が必要になって、「遺産を今すぐほしい」と相談にいらしたことがあります。

調停や審判を行えば、遺産は入ってくるんですが、手続きに一定以上の期間、だいたい1年~1年半はかかりますので、「そんなには待てない」というご相談でした。

遺産分割協議で、他の相続人にも代理人弁護士が就いていたのですが、相手の弱い点、こちらの強み等を最初から整理して主張したこと、相手方弁護士さんが幸いにも理解のある方だったこともあって、2カ月ほどで話がまとまって、直後にお金が振り込まれたというのは、依頼者から大変喜ばれましたね。

このほかにも、4人兄弟の末っ子さんが、他の3人と相続をめぐって争いになり、裁判になったという事例で、訴訟代理人を担当したこともあります。他の3人の方が被相続人の事情をよく知っていたり、証拠を握っていて不利な状況でしたが、証人尋問まで行い、私が3人の発言や証拠の矛盾を突いて、勝てたことがあります。そのときは、傍聴席で観ていた依頼者から「あの質問を、よく聞いてくれましたね!」「胸がスッとしました」と言ってくれました。

– かっこいいですね!

それまで末っ子さんは、他の3人から言われたい放題だったようですが(笑) よかったと思います。

– 相続は親族関係、肉親同士の問題ですから、トラブルになったとしても、相手方と「これから一生会わない」というわけにはいかない場合もありますよね。

そうなんですよね。それまでは交流があったのに、相続を引き金に関係がこじれてしまう家族や親族は、たくさんいらっしゃいます。

なので、私は依頼者から話をよく聞いて、今後の関係をどうしていきたいかよく確認した上で、自分は裏方に回って、弁護士名を出さない方法で進めていくようなこともします。

法律相談は、できるだけ早いほうがいい

塩澤 彰也 弁護士

– これからも相続に特化して、狭めて先鋭化させていかれるのでしょうか。あるいは、ジャンルを広げたりするご予定はありますか。

これからも相続を中心に取り組んでいこうと思います。特化しているからこそ、自信を持って回答したり、積極的に行動を執ったりできることも増えていると思います。

私自身の経験も含めてですが、それほど専門性が高くない分野ですと、「この額で和解していいのかな?」「判決をもらったほうが、額が増えるかな?」「いや、判決もらっても、勝てるとは限らないし、やはり和解のほうが……」などと、迷いが生じる場合があります。

ですから、依頼者を不安にさせないためにも、相続に特化していこうと。独立して12 年目ですが、その思いを強くしています。

– ぜひ塩澤先生に相談したいと、遠方から、たとえば他県からお越しになる方もいらっしゃいますか。

そうですね。たった1時間前に事務所に来られたのも、埼玉から1時間半以上かけて来ていただいた方でした。

– 相続が始まる前から、法律相談にはお越しになるほうがいいでしょうか。

それに越したことはないですが、相続が始まった後でも、できるだけ早く相談に来られたほうが、対応しやすくなります。

– 余裕を持って、早く相談したほうがいいですよね。たとえば相続放棄をする場合ですと、タイムリミットも厳しいですからね。

ええ、3カ月以内という期間制限がありますから。

– これから、事務所に弁護士を迎え入れよう、増やそうというお考えはありますか。

難しい問題ですが、この事務所には、私を信頼してお越しになる方が多いので、基本的に私が全て対応するという態勢を取っています。

規模の大きな事務所で「本当は○○先生にお願いしたかったのに、やってくれなかった」ということに不満を持って、私に相談に来られる方もいらっしゃいます。今後、人を増やすことも、ひょっとするとありうるかもしれませんが、現時点では考えていません。

– この塩澤法律事務所だと、間違いなく、塩澤先生が対応してくださるわけですね。

そうです(笑)


インターネットによって、複数の弁護士にアクセスをして比較することも、以前より難しくなくなった。中でも「不安を感じさせない」という要素は、重要な決め手のひとつといえるだろう。

専門性が生み出す回答の正確性と、温厚な人柄、背後の士業ネットワークなどから、最終的に塩澤先生を選択する依頼者が多いのも、おのずと納得することができた。

塩澤 彰也 弁護士

塩澤 彰也 弁護士
塩澤法律事務所

1974年生まれ
1997年 早稲田大学法学部卒業
2000年 弁護士登録(東京弁護士会)

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