依頼人の「費用対効果」を最大限に、民事も刑事も徹底的に戦う。 / 吉田 要介 弁護士

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宿場町としての歴史も古く、現在も東京のベッドタウンとして発展している千葉県松戸市には、地方裁判所の支部もあるため、千葉県内の司法では拠点のひとつともなっている。
その松戸で最大級の法律事務所に勤める吉田要介弁護士(ときわ綜合法律事務所)にお話を伺った。
強い力を持つ人々の曲がった行動が許せない正義感と、ときに自分が損をしても依頼人を守ろうとする姿勢を感じさせるインタビューとなった。

交渉を有利にするため、他校と連携した生徒会長時代

– 弁護士になろうと決意したきっかけについて、教えていただけますか。

子どもの頃から、弁護士や法廷シーンが登場する2時間ドラマなどを観ていて、漠然とした興味はありました。

しかし、具体的に決意したのは、高校で生徒会長をやったときですね。

– 素晴らしいですね。生徒会長の選挙で当選したわけですね。

いえ、ずっとなり手がいなかったんですよ。1期目は無投票だったんですが、2期目はたまたま成り行きで、後輩と一騎打ちのようになりました。こっちのほうが経験があるし、3年生と2年生の争いだったんで、たまたま当選したようなものです。

任期中には、校内だけでなく校外のことにも目を向けて取り組むべく、千葉県にある高校の生徒会同士が連携するような、連盟を作ったんです。

– 連盟ですか。それの創設者なんですか。

はい、そのころ、部活動の部室がある建物が老朽化するので、建て替えようという話になっていて、その問題が何年も続いていたんです。県立高校だったので、うちの生徒会は、県の教育委員会と折衝をしていました。

しかし、建て替えれば、県のルールで部室が狭くなってしまうらしく、むしろ「他の高校は、そんな要求なんかしないよ」みたいなことを言われていたんです。

そのときに、前々任の生徒会長が「この問題は、この高校だけで済ませていたら、単なるエゴで終わるから、もっと他の高校も巻き込むべきだ」みたいなことを書いていたのを読みまして、それをひとつのヒントとして、「国連みたいに、生徒会同士が連盟を作れれば面白いんじゃないか」と思ったわけです。

なので、自身で20校近くの生徒会を訪問して勧誘したり、県内の100校ぐらいの生徒会に宛てて、加盟を呼びかける往復ハガキを送るなどして、最初は13校からスタートしました。

– はあ、すごい話ですね! ある程度、生徒会活動が盛んな高校が集結したわけですね。

それで、うちの高校の校則に比べて、他の高校の校則がけっこう厳しいことを知ったんです。それをきっかけに「生徒の権利」というものの存在を意識し始めました。

3年生の秋で生徒会長を辞めた後も、生徒会の外で、「生徒の権利」に関連するような活動として、公開質問状や要望書などを自分たちで出したりしていました。

– 受験勉強と並行してですか。

だから、もちろん浪人しましたね(笑)

– (笑)それにしても初めて生徒会長を務めた段階で、よく、生徒会連盟の創設にまで繋げましたね。

わりと昔から、そういうことをやりたかったんです。リーダーとして、どうせやるなら、しっかりと突き詰めてやろうと思ってました。また、それを理解してくれる仲間にも恵まれていたと思います。

やがて、多数決で決まらない世界に興味

吉田 要介 弁護士

– たとえば、昔から学級委員などを務めていたわけですか。

いえ、学級委員にはなれなかったんですよ。勉強ができる優等生タイプではあったと思うんですが、運動ができて人気があるクラスメイトが学級委員になっていましたね。

優等生の中にもスポーツができる人がいますからね。

– そうなんですか。学級委員って、めんどくさいから皆で優等生に押しつけるものだと思ってましたが、そういう学校ではないのですね(笑)

いえ、中学校のときはそうでしたね。誰もやりがたがらないので、自分が立候補してました。
ただ、小学5年生の冬頃に新しくできたブラスバンド部では、どういうわけか部長に選ばれましたね。てっきり、女子が選ばれると思っていたんですが。

– そうして、リーダーとしての素養を、徐々に身につけていかれたわけですね。法律家だけでなく、政治家方面にも関心がおありですか。

今は弁護士の仕事が忙しいですが、高校生の頃だと、そういう気持ちもあったのだろうと思います。あの頃は「自分の主張は、皆に言えば、必ず理解してもらえる」と思っていたんですね。

– その確信は、どこから来たんですか。

期待感ですね。ただ、そう思っている人は、どうやら世の中で少数派らしいと気づいて(笑) だから、多数決だと負けてしまう。それで、多数決で決まらない世界に興味が出てきたんです。

– はぁぁ、ついに、点と点が繋がりました(笑) それで弁護士ですか。

本音では休みたいときでも、理不尽なことが起きれば行動する

– 「こういう弁護士になりたい」という目標や理想は、当初からおありのようですが、いかがですか。

それが、あまり無いんですよ。

– 意外ですね。

でも、「右向け」と命令されたら、左を向きたくなる性格ではありますね。

– 弁護士の方だと、わりと多いでしょうね。

権力を笠に着て何かを言われると、嫌だな、とは思いますね。

それと、弁護士法には「社会正義の実現」と書いてあって、それは他の資格にはないと思うんですよ。その実現のために、みんなで高い会費を払って、その中で、お金が足りなくて弁護士を頼めない人の援助制度をつくったり、当番弁護士をしたり、弁護士会の会務を行ったりとか、いわば責務も果たしている。その責務を果たして初めて、弁護士といえるんだろうなと思います。

– ホームページなどを拝見すると、会務も幅広く務めていらっしゃいますし、民事だけでなく、刑事事件にも力を入れてらっしゃいますね。

去年は、当番弁護士が大晦日にまわってきたんですよ。

– それって、断れないんでしょうか。

当番弁護士は、毎日待機することになっていて、日程の割り振りは抽選で決まるんですよ。誰かに代わってもらおうかとも思ったんですが、そのまま待機していたら、呼び出しがかかったわけですよ。それで警察署へ行って。

– 警察官も大晦日にいるわけですよね。

年末でなければ逮捕されなかった事件だったのに憤ったのと、被疑者の希望もあったので、援助制度を使って受任し、意見書を書いて検事に提出しました。

すると元旦に意見書を無視して検事が勾留を請求し、裁判所も勾留を決定したので、元日の夜に勾留決定への準抗告を出しに行って、それが翌2日に棄却されたので、検事とやり合ったり、被疑者から示談金を預かった上で、その夜に勾留の取消請求を出しに行ったりしてました。

– お正月が潰れてしまいましたね。

そういうわけで、裁判官には嫌われていると思います(笑)

– 正月早々やめてくれと(笑) やはり、妥協したり、丸く収めて中途半端な仕事をするのが、ご自身で許せないのですか。

そうですね。それと、相手が丁寧に対応してくれれば別なのですが、高圧的な態度を取られると、徹底的にやりたくなるんです。

– 捕まった被疑者のため、積極的に刑事事件で戦ってくださるんですね。

やっている弁護士本人にとって、決して費用対効果は高くありません。そもそも刑事事件は徒労の連続です。

ご依頼を断るのは、依頼人にとって割に合わないとき

– 弁護士にとって、大切なことは何だと思われますか。

価値判断ですね。
たとえば「黒を白にする」とか「白を黒にする」というのは、弁護士の仕事ではないと思っています。ただ、「黒に見えるかもしれないが、黒と言い切れない以上、黒ではない」と主張することはありますね。

– そうですね。疑わしきは罰せず。

それは、そういう制度ですから。
本来あるべき結論に持っていくのが、弁護士のあるべき役割だと思っているんです。

その価値判断は、刑事事件だと人権感覚に繋がるのかもしれないし、民事事件だと正当な利益との兼ね合いが関わります。

勝つべきものを勝ってもらうようにするし、負けるにしても、最小限の負け方に抑えると、それをあらゆる方向から考えて、きちんと法律構成をして、自分の持てる力を使って、よりよい成果を出すのが、私の考える弁護士の仕事です。

ごく一部の優秀な弁護士なら、本来は負けなきゃダメなものでも、最終的な結論を変えることができるのかもしれません。ただ、私にはその能力もないし、そうすべきであるという価値判断もしません。

– ほかにはありますか。弁護士として大切にしていらっしゃることは。

費用対効果は考えますね。これは私でなくて、依頼者にとっての費用対効果です。

ですから、費用対効果が合わないと判断した場合は、ご依頼を断ることもあります。お断りする数は決して多くないですが、もし断るとしたら、たいていの場合、費用対効果が理由ですね。

– 費用対効果が合わないのは、どういう依頼でしょうか。

要は、請求額に対して、弁護士費用がかかりすぎる場面です。弁護士が就くことで費用負担が重くなりすぎる場合は、事案にもよりますが本人訴訟で進めていただいたほうがいいです。そこは事前に説明いたします。

日本の法廷は、そこまで変な場所ではないので、弁護士が就いていない人にでも、裁判官が言い分を聞いて、妥当な判決を出してくれることもあります。そこを考えた上で、依頼していただきたいです。

ただ、依頼者の中には、「裁判の相手には払いたくないけど、先生には払っていいんです」という方もいらっしゃるので、それも個々の価値判断です。

とはいっても、もはや負けるしかないような場面なら、私に弁護士費用として支払うぶんを、相手方への支払いの原資にしてもらったほうがいい場合もありますね。「それでも、相手の言い分はおかしい。言われっぱなしじゃ悔しいから、依頼したい」ということであれば、力をお貸しします。

お金が大事なのか、プロセスが大事なのか、費用対効果をどれほど重視していらっしゃるのか、事情や価値観はそれぞれ異なるでしょうから、依頼人の話を聞いて、こちらから説明し、選択してもらうようにしています。

– たしかに、選択肢それぞれのメリットやデメリットを事前に提示してくださると、依頼する側も安心できますね。

交通事故だと、自動車保険の弁護士特約に入っている人なら、基本的に依頼していただいていいんじゃないかと思いますが、特約に入っていない場合は微妙なケースがあります。

弁護士として見る、出身地 松戸

吉田 要介 弁護士

– 松戸という街については、どんな印象をお持ちですか。

だんだん好きになってきた感じですかね。

大学に入学して引っ越すまで、20年近く住んでいた街です。ただ、通っていた高校は柏にあったので、いったん松戸のことは意識から離れていたかもしれません。

それでも、勤務地として松戸に戻ってきたとき、依頼者は地元の方が多いですし、小学校や中学校の先輩にあたる人とかも事務所に来ますからね。

また、松戸にある裁判所は、東京地裁とは違います。

– 千葉地裁松戸支部ですね。どういったところが違いますか。

支部だからでしょうが、刑事手続きの進め方に関して、古さを感じますね。東京ほどは進んでないわけです。

– どういった違いがあるでしょうか。

東京は比較的、逮捕や勾留など、権力を行使して、人の身体を拘束することに対して抑制的だと思います。痴漢も身元がしっかりしていて初犯であれば、否認していても勾留されませんから。

また、東京の裁判所には令状専門の部署(東京地方裁判所 刑事第14部)があります。松戸は裁判官が持ち回りで、刑事事件を扱わない裁判官が判断することがあるんですよ。

– 地方は全国的に同じような問題を抱えていて、東京だけ進んでいるということでしょうか。

そうですね。
それと、人数が少ないので、弁護士同士でお互いの顔が見えますね。松戸は。

– それはいいことですか。

いい部分もありますね。相手方になったときに、この弁護士なら相手方でも信頼できると感じて、示談がうまくいくこともありますから。


吉田先生の言葉の端々からは、弁護士として人々から頼られる喜びを感じられた。だからこそ、身を呈し、時間を削ってでも、頼ってくれる人々のために妥協なく行動し続けるのだろう。
千葉県の北西エリアで、こうした法律家が活躍しているのは、住民にとって安心できることに違いない。

吉田 要介 弁護士

吉田 要介 弁護士
ときわ綜合法律事務所

千葉県立東葛飾高校 卒業
中央大学法学部 卒業
明治大学法科大学院 修了
2008年 弁護士登録(千葉県弁護士会)

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