知財、環境を中心とした企業への法的サポートの提供を目指す / 町野 静 弁護士


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紛争解決業務のやりがい

町野 静 弁護士

– 知財と環境法以外に注力をされている分野はありますか。

そうですね、あとは、法律分野というのではないですが、紛争解決分野の仕事には引き続き取り組んでいきたいですね。北浜法律事務所時代には知財に関するものはもちろんですが、不動産関連の訴訟や調停ですとか、株主代表訴訟から売掛金の回収まで、色々な類型の争訟を取り扱ってきました。国際仲裁の取り扱い経験もありますので、今後もそういった経験を生かしていければと考えています。

– 紛争解決業務のやりがいとはどんなところにあるのでしょうか。

私にとって紛争解決業務のやりがいは2つ理由がありまして、一つは、誰かを説得するのにどうするかみたいなことについて戦略を立てて、文章を書くのが好きなので、文章でいかに論理的に説得的に書くかということや、証拠をどうやって整理し、引用すれば、裁判官に印象付けられるか。そういうことを考えてやっていく過程が好きだという事です。もう一つは、紛争の存在は依頼者にとっては大きなリスクやストレスですので、上手くいったときには、クライアントにはとても喜んでいただけますし、自分自身も嬉しいので、そういった達成感も得られるという点ですかね。

– 立場の違い、例えば、裁判の場合に原告と被告だと、どちらがいいとかというのはありますか。

私はどちらもこだわりは無いのですが、立証責任がある原告の方が訴訟遂行していくうえでは大変なので、上手くいったとき嬉しいのは原告側ですね。知財と争訟はセットのようなものなので、争訟が好きだから知財をやっているという部分も多いにあると思います。

– 印象に残っている訴訟事件について教えて頂けますか。

色々ありますが、今ぱっと思いつくのは、北浜法律事務所時代受任した、ある相続に関する事件です。控訴審からお受けしたのですが、原審では完全敗訴で困った相談者の方が相談に来られたケースでした。
一般的に、一審で負けた事件をひっくり返すというのはかなりの労力を要します。東京高裁の場合、7~8割程度が1回結審、つまり、裁判所の心証が一審と変わらず審理を打ち切る事件だと言われています。和解で終わる事案が多いですが、そうであっても完全に負けた事件を自分の方に有利な和解に持っていくためには裁判所には一審とは違った心証を持ってもらう必要がありますので、かなり難しいのが実情です。
そのため、控訴時に提出する「控訴理由書」を、これは聞く意味があると裁判所に思ってもらえるような内容にしなければならず、その件では作成に膨大な時間をかけました。事務所の文献はもちろん、本屋の文献、弁護士会の文献、全部調べまくって徹夜で控訴理由書を書き上げました。
結果として、控訴審の裁判所がこちらに有利な心証を持ち、相手方を説得してくれたため、勝訴的和解を取り付けることができました。判決ではなく、和解という一応双方納得のいく解決ができましたし、大変だった分、すごく嬉しかったです。

– すごいですね。ということは、相談者の方は別の弁護士にも相談されて断られて、先生のところに来たのでしょうか。

恐らく、そうだと思います。

– なぜそのような難しい事案をお受けになられたのですか。

相談者の方のお話しをうかがっていますと、相談者の方がとても気の毒に思えたというのが一つと、もう一つは、確かに一審の判決を見ると論理的には正しいことは書いてあるのですが、でもこの結論は本当に正しいのか、これではあまりにも気の毒過ぎるし、第三者から客観的に見てもおかしいのではないかと思いました。
請求の立て方を見直して、今回のような当事者間で感情的なしこりがあるケースでは、裁判所に訴えかけるような証拠を出したりという努力をすれば、もしかしたら覆せるかもしれないと思って、お引き受けしました。

– ありがとうございます。逆に負けてしまったケースというのはあるのでしょうか。

一つもありません、と言いたいところですが、残念ながら、ありますね。同じようにクライアントから話しを伺ううちに、これはおかしい、ということになり、一審から一生懸命やったのですが、結局控訴審で敗訴的和解となりました。
依頼者にはやれるところまでやりたいとの思いが強かったので、できるところまでやったというのはあるんですが、依頼者には申し訳ない気持ちでいっぱいでした。ただ、この件の裁判所の結論には今でも全く納得できません(笑)

– 先生のその強さは正義感ですか。

そんな大しものではないと思いますが、やはり、クライアントの皆さんに幸せになってもらいたいというのと同時に、自分の持っている信念というものは大事にしたいなという思いはあります。社会的に正しいことを信じたいというか。弊所の理念は「幸福の器、正義の礎」ですが、その理念を大切にしていきたいと思っています。

– 本日はお忙しい中ありがとうございました。

ありがとうございました。


ひっくり返すのが難しい控訴審故に、受任をしてくれる弁護士がいなかった事案を、『社会的に正しいことを信じたい』と受任し、持ち前の理屈っぽい性格で、事件を再分析し、理論を立て直し、事も無げにひっくり返す。まだお若いのに、計算づくではない熱い気持ちの様に感じました。知的財産権、紛争解決・国際仲裁以外にも、未だ日本においては確立していない企業活動における環境法コンプライアンス(米国流エンバイロメンタルロイヤー)にも注力する町野弁護士の今後の活躍が楽しみです。

弁護士法人イノベンティア

町野 静 弁護士
弁護士法人イノベンティア

2000年 都立八王子東高等学校 卒業
2004年 慶應義塾大学 法学部 法律学科 卒業
2006年 慶應義塾大学 大学院 法学研究科 修了
2015年 デューク大学 ロースクール (LL.M.) 修了
2007年〜2016年 弁護士法人北浜法律事務所東京事務所
2015年〜2016年 増田・舟井・アイファート&ミッチェル法律事務所 客員弁護士
2016年〜 弁護士法人イノベンティア東京事務所

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