徹底リサーチで真相を見抜く、知的財産権のプロフェッショナル / 石下雅樹 弁護士


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東京駅前に建つ摩天楼のひとつ、新丸の内ビル(新丸ビル)。買い物客や観光客で常に賑わっているが、新丸ビルには、ショッピングモールだけでなく、ビジネス拠点というもうひとつの顔がある。

上層階に整備されたオフィスフロアの中に入っている法律事務所のひとつ、特許や著作権などの知的財産権、あるいはIT系の法律問題や英文を含む契約書チェックにも精通する石下 雅樹先生(弁護士法人クラフトマン代表)にお話を伺った。

理系・文系問わず、幅広い興味と関心

– 先生は知的財産権の案件がご専門ということでよろしいのでしょうか。

それだけではないのですが、メインでやっているのは確かです。最初からそう決めていたわけではありませんが、徐々に知的財産権に関するご相談が増えてきて、担当して扱うことも増えてきました。

– かつては文学部で学んでいらっしゃって、そこから弁護士にいわば転身したということでしょうか。

在学中から司法試験の勉強をしていて、いよいよ卒論を書かなきゃいけない、就職活動をしなければならないということでしたが、司法試験のほうに集中したかったので、文学部は中退し、就職活動もしませんでした。

– もはや、卒論を書くどころではなかったわけですね。

そうですね。

– 知的財産権ですと、理科系の知識も必要だと思うのですが、いかがですか。

必要だと思いますね。中学生の頃から、物理の本を読んだり、コンピュータでも自分でプログラムを書いたりしていましたので、知的財産権の世界にも自然に入ることができたと思います。

– 文学部から弁護士を目指したのは、どういうきっかけがあったのですか。

資格を取るなら弁護士だろうと思っていました。その程度なんですけど(笑)文学部にいても、単位の半分は他の学部で取ってよかったんです。

その頃から、他の学部の講義のほうが面白そうだなと思って、経済や経営に加えて法学の講義も受けていたんです。

そのとき、法学部の教授が言っていたのは「司法試験は合格率3%だと言われているけど、本当の実力者に限定すれば、実際は7~8倍ぐらいだ」ということだったんですね。

– かつて、確かにそう言われていましたね。

だったら、東大と同じぐらいの倍率かなと。それで司法試験を始めた年の翌々年に合格しました。

当時は東大を出ている人でも山ほど落ちてる試験でしたし、本当に受験勉強に自信のある集団の中での倍率8倍ですよね。

はじめて特許の資料に触れた瞬間、「面白い」と思った

石下 雅樹 弁護士

– 修習を終えられて、最初に勤めた法律事務所は、知的財産権を扱うところだったんですか。

埼玉にある事務所だったのですが、上場企業の法務から一般民事まで、なんでもやるところでしたが、知的財産権の案件については、本格的なものはほとんどありませんでした。

– 当時は、どのような弁護士になろうと、目標や理想像のようなものを持っていましたか。

そのときは一般民事ができる弁護士になろうと思っていました。

– 離婚や相続とかですか。

そうですね。当時の経験が、弁護士業務の基礎として今に生きているように思います。

– 知的財産権に積極的に取り組むようになられたのは、どの段階からですか。

独立して事務所を構えて以降ですね。そのときに弁理士と知り合う機会がありまして、その縁で特許の明細書を何通か書いたり、特許訴訟を一緒に進めたりしたことをきっかけに、知的財産権の案件を重点的に担当するようになりました。

最初の案件に触れた瞬間に「これは面白い」と思えましたね。

– そうですか。特許の案件は、どのあたりが興味深かったのでしょうか。

案件ごとに、新しいことを学べるというところですね。案件を通じて学ぶなんて、依頼者の方々には言いたくないですが、新たに開発された技術については、新たに学ぶしかないわけです。

– 新たな発明でしょうから、前提知識は新たに学ぶわけですよね。

たとえば、離婚とか相続というのは、ある程度のパターンが決まっているわけですので、そんなに新たな問題は出てこない。

そういう意味では、未知の技術や新しい技術に触れ、常に新鮮な気持ちで仕事をしていられる知的財産権の世界は、やりがいを感じますね。