建築・不動産・エンタメを中心に、法律家としての総合力を。 / 黒澤 圭一朗 弁護士


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親しみと頼もしさを兼ね備え、前の事務所を辞めるときにも引き留められ、不動産業者を中心に多くの人々から信頼される若手弁護士が新宿にいる。

専門性を極めようとする河口仁先生と共同で、K&Kパートナーズ法律事務所を運営する黒澤 圭一朗先生は、様々なジャンルに幅広い関心を持ち、法律家としての総合力を身につける姿勢を携えた弁護士である。

きっかけは、自転車泥棒だと疑われたこと

– 弁護士になろうと思われたのは、わりと早かったほうですか。

そうですね。高校を卒業して大学へ入るぐらいには、意識していました。弁護士になってみたいなと思っていましたね。

– 何かきっかけがあったわけですか。

最初は刑事事件に興味がありました。
些細なきっかけではあるんですが、高校生のころに自転車に乗っていると、「ちょっと待って待って」と警察に呼び止められまして、「その自転車、本当に君のものなのか」と尋ねられたんです。

– 職務質問ですか。

そうです。盗んだと疑われたんですよね。しかもそのとき、自分の自転車が壊れていたもので、弟の自転車に乗っていたんです。

– そうなんですか。「おい、登録が違うじゃないか」と。

そうです。いくら説明しても、なかなか話を聞いてもらえなくて。「どうしてわかってもらえないんだろう」「どうして主張が通らないんだろう」と、もどかしく思ったわけです。
そこから、主張がなかなか通らず、理不尽な目に遭っている人のために役に立てる、正当な主張の代弁者となりうる職業として、弁護士を意識し始めたわけです。

– 警察と戦えるだけの力が欲しかったわけですね。

そうですね。

– 最初は、刑事弁護ができる弁護士になりたかったんですか。

そういうわけでもないんですが、まず「スペシャリスト」になるか「ジェネラリスト」になるのかで迷っていたんですね。

ただ、前に勤めていた法律事務所が、とにかく「何でもやる」という感じの事務所でして、いろんな事件を経験させていただいたので、

河口が、マンション管理のスペシャリスト弁護士として活動していますので、それに付随して、ぼくも何かのスペシャリストになろうかと考えた時期もありました。しかし、今ではむしろジェラリストとして、幅広くいろんな事件に携わって、法律実務家としての総合力を付けていきたいと考えています。

– いわゆる「町弁」というイメージですか。

そうですね。離婚事件なども担当したいと思います。

– この法律事務所の「パートナー」である河口仁先生とは、弁護士会の派閥の中で知り合ったんですね。

そうです。2年先輩なのですが、入った当時から一番お世話になっていました。クールに見えてとても人当たりがいい方で、先輩と後輩の壁を感じさせない方ですね。

「今度、飲みに行こう」とか(笑)、気軽に誘ってくださったので、大変とっつきやすいんですよね。

– そして今度は、「一緒に事務所やらないか」と誘ってもらったのですね。

そのときも、「一緒にやっていけるだろう」と思いましたね。

– それで、自然な流れで法律事務所を共同運営することになったのですね。

そうです。

– 黒澤先生から見た、河口先生の印象について教えてください。

見た目はスマートでクールな感じなんですけれども、芯のほうでは熱いものを持っていると感じますね。仕事に取り組んでいるときの姿などから、そう感じますね。

はじめから面白さを感じた、建築の法律問題

黒澤 圭一朗 弁護士

– では、弁護士としての業務内容について伺います。黒澤先生の注力分野としては、どのようなものがありますか。

建築や不動産に関する法律問題を得意としています。また、音楽やアニメなどのエンターテイメント関連の案件に積極的に取り組んでいく姿勢でいます。

建築については、前の事務所で、かなり大きな建築訴訟を担当したのが印象的で、それをきっかけに重点的に取り組んでいるところです。

– ちなみに、どういう事件だったのですか。

建物について設計上の瑕疵(欠陥や不具合など)があったという事件です。

パネルのようなものを組み合わせて造っていく外壁の工事だったのですが、当初の予定とはまったく違うものができてしまっている。現場でもう一度新しいパネルを貼り直すと、それだけでも従来に想定していた額の何倍もの費用がかかってしまうのです。

そもそも、設計図からしておかしかったんですよね。寸法などが実際のものと違っているんです。もう、ムチャクチャなものが次々に出てきたんですよ。

これは誰が責任を持つんだろうと。発注元は「下請けでやったことなんだから、下請け同士で解決してくれ」ということで取り合わないし、それで、下請け同士で揉めている片方の会社の代理人として、訴訟を起こしたんです。

ですが、建築の世界の言葉がわからないんですよね。「1人工あたり6000円」といわれるんだけど、まず「人工(にんく)」の意味がわからない。要は、工事員の数え方らしいんですけども、専門用語が全然わからないんです。

なので、依頼人の方に逐一、建築用語の意味を聞きながら進めていきました。徐々に建築の世界がわかっていくうちに、それを読み解いていくのもワクワクして、楽しいと思えるようになっていきました。すごく緻密で膨大な作業が要求されますけどね。

– 同じ仕事でも、楽しいと思えるのが一番ですよね。

これから東京オリンピックの開催に向けて、改修や新築工事などが増えていきますので、そのトラブルも増えていくでしょうから、そのトラブルを解決する、あるいは未然に防ぐ手伝いを法律家として受け持ちたいと思うようになりました。それで、建築に関する法律問題は、ひとつの軸に据えています。

建築関係の法律問題については、他の弁護士に相談するよりは、話が早いと思います。建築の専門用語や業界用語を、ある程度は理解していますので、それは自分の強みだと認識しています。

– 建築をめぐっては、近ごろどのような問題があるのでしょうか。

最近、トラブルとしては減っていますが、耐震工事に関する法律問題ですね。建築基準法でだいぶ整備されてきましたが、地盤にちゃんと杭を打っているか、どれだけの耐震性を持たせるべきかなど、不十分な工事が行われている場合があります。

また、特に中小の建築業者に関しては、契約に関して契約書が交わされていないか、交わされているとしても本当にざっくりとした内容の契約書のみを作成していることが多いんです。発注書も出していないケースがあり、ほとんどのコミュニケーションを口頭で済ませる慣習が根付いているんですね。

そのあたりについて、徐々に意識を変えて、お互いの意思や約束などを書面で残しておくことを習慣づけていただければ、紛争が起きる前に予防することができます。