少年事件と生まれ故郷に、法律家人生を賭ける / 松田 和哲弁護士


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四街道の地で、弁護士人生を賭ける覚悟

松田 和哲 弁護士

– この事務所を立ち上げて7年目だそうですが、どのような変化がありましたか。

そうですね。児童相談所ですとか、あるいは佐倉市の監査委員ですとか、行政機関に関わることが増えましたし、地元の経営者の方々と関わったりしています。ですから、松戸で勤務弁護士をしていた頃よりも、地域との距離が近くなったと思っています。

– 子どもの頃に知っていた四街道の町は、今、弁護士として、何か違うふうに見えたりしますか。

そうでもない気がします(笑) うちは祖父の代から四街道にいるので、祖父を通じてみんな、私のことを知っているんです。そのおかげで、この街で弁護士として仕事をできているわけですし、いろんな人が、いろんな縁で私たちと繋がっている事実に気づかされることはあります。

– 四街道とは、どういう街なんでしょうか。

現在は、千葉市内などで働く人たちが住むことも多い、いわゆるベッドタウンですが、戦前はもともと、陸軍の砲兵を育成する学校がありまして、陸軍の兵隊さん相手の商売をする人たちが寄り集まって、この街ができたんです。祖父ももともと軍人だったんですが、辞めた後に、この四街道で新聞販売店などを営んでいました。

– もう、この四街道の街で、今後も弁護士として働いていくことは変わらないわけですね。

はい、それは覚悟を決めています。この地域の皆さんに求められる弁護士で居続けたいですし、その中で並行して、若い弁護士の皆さんを育てることにも取り組んでいければいいと考えています。

そして、四街道からさらに広げて、印旛郡市全体に目を向けたいです。千葉地裁の佐倉支部管内には、今は30人ほどの弁護士がいますが、その中でも弁護士がほとんどいない地域があります。他の弁護士とも連携しあって、臨時の無料法律相談を開くなど、印旛郡市の住民の皆さんにとって、弁護士へのアクセスを向上させる取り組みも行いたいです。

祖母は佐倉出身で、私も今は佐倉に住んでいて、監査委員なども務めていますので、今後も弁護士として行政に関わっていく形でも、地域に貢献していきたいです。

– 監査委員というのは、どういう役職になるのでしょうか。

特別職公務員なんですけれども、市の決算があがると、議会にかける前に中身のチェックをするのですが、このチェック(監査)を行うのが任務です。また、行政の運営の中身や、事業の進め方などについて意見を述べたりします。
また、市に財務会計上の不正が疑われるときに、市が監査を求める「住民監査請求」というものがあると、それを審査する役回りにもなります。

ただ、会計が絡むので税理士さんや会計士さんが務めることが多く、弁護士は少数派だと思います。住民監査請求の審査については、違法性や妥当性の問題になるので、そこは弁護士としての知識や経験が生きる場面です。

地域密着型の法律事務所で、最も重視される要素

– 事務所での弁護士の採用について伺いたいのですが、どなたか採用していかれたいというお気持ちはありますか。

じつは、ほぼこの方を採用したいという弁護士が決まっている状況でして、まもなく一緒にこの事務所で仕事をしていただくことになります。

– それは素晴らしいですね。どのような点に決め手があったのでしょうか。

話をしていて、「この人と一緒に仕事をする」という場面を想像できるかどうかだと思うのです。小さな事務所ですので、顔を合わせて、人の話を聞き、自分の考えを述べて、しっかりとコミュニケーションを取れる方に入っていただきたいと思っています。
それを弁護士同士でできないのに、まして、お客さんを相手にして十分なコミュニケーションを取ることはできないと思うのです。地方の事務所ですので、お客様との距離が近いものですから、余計にコミュニケーションは重要になります。

– コミュニケーション能力ばかりは、司法試験で問われませんからね。

そうなんです。法律の知識さえ詳しければいいのだったら、ロボットでもいいんです。いくら判例などを知っていて、裁判をやれば勝てる状況にあるとしても、その依頼者が裁判を望んでいなかったら、やるべきではありません。

逆に、裁判をすれば負けるような状況にあっても、どうしても裁判で決着を付けたいと本人が望むのであれば、ご本人に納得していただくために、やらなければならない裁判もあるでしょう。

弁護士としては、負ければ成功報酬は受け取れないわけですから複雑ですけれども、裁判を回避し、別の解決方法もありうるとご本人を説得しなければなりません。それでも裁判をしないと収まらないということでしたら、初めて裁判を起こすわけです。


取材当時で「千葉県弁護士会 子どもの権利委員会委員長」「日本弁護士連合会 子どもの権利委員会幹部」「千葉県 児童虐待対応法律アドバイザー」といった、少年事件関連の役職や肩書きをいくつも持っている松田先生は、少年事件に情熱を燃やすエキスパートといっていい法律家である。

核家族化や待機児童問題、教育費の高騰など、子育てに負担がかかりがちな昨今であるが、少年事件に精通する法律家は、子育てのセーフティネットとして頼れる存在に違いない。

よつかいどう法律事務所

松田 和哲 弁護士
よつかいどう法律事務所

1996年 千葉県立千葉高等学校 卒業
2001年 同志社大学法学部法律学科 卒業
2008年〜 千葉県弁護士会登録。弁護士法人瑞慶山総合法律事務所入所
2010年〜 よつかいどう法律事務所開設

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